かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ
著者 | 大場 敏明 著 高杉 春代 著 |
---|---|
ジャンル | 暮らし・健康・子育て 暮らし・健康・子育て > 家庭医学・健康 |
出版年月日 | 2017/08/23 |
ISBN | 9784774516615 |
判型・ページ数 | 4-6・192ページ |
定価 | 1,430円(本体1,300円+税) |
在庫 | 在庫あり |
内容説明
目次
平成27年1月に国が定めた認知症施策「新オレンジプラン」では、専門医だけではなく、地域の「かかりつけ医」たちの活躍が大いに期待されています。かかりつけ医たちが認知症医療に積極的に取り組むための窓口となる「もの忘れ外来」の上手な作り方、機能のさせ方を、医療とケアと家族(地域)のトライアングル連携で、地域に立脚した認知症医療をいち早く実践してきた著者たちが語ります。著者たちのこれまでの取組みは、まさに時代の要請を的確に先取りするものでした。地域で活躍する医療関係者は必読の一冊です。
【本書を推薦します!】
◆本間 昭 先生
(認知症介護研究・研修東京センター前センター長)
『今年の3月に改正道路交通法が施行され、 75歳講習時の認知機能検査において 一定の点数以下では認知症の有無の診断が 求められることになりました。
専門医だけではなく、 かかりつけ医も一定の役割を 担わざるを得なくなったのです。
この機会に、「もの忘れ外来」を 始めてみようかと思うかかりつけ医も 少なくないのではないでしょうか。
しかし、どこから、どのように始めればいいのか 悩んでしまうこともあるかもしれません。
本書では、かかりつけ医が地域で 「もの忘れ外来」を始め、 一定の成果をあげた好事例が示されています。
興味のある関係者に一読をお勧めします』
【著者プロフィール】
◆大場敏明(おおば としあき)
千葉大学医学部卒業。千葉大内科研修を経て、地域病院や診療所勤務。老人病院勤務時代、認知症(当時は痴呆症)医療の現実に疑問を感じ、2000年、埼玉県三郷市に「クリニックふれあい早稲田」を開業。「町医者」志向で地域医療を担い、認知症グループホームや通所介護事業所など六つの介護事業所を運営。医療・介護・地域(家族)の認知症ネットワーク構築を推進し、「認知症医療新時代、かかりつけ医が主役」を提言。三郷市認知症ネットワーク会議座長・市介護保険運営協議会委員・市介護認定審査会(元)会長・市医師会(元)理事・埼玉県保険医協会理事長。
◆高杉春代(たかすぎ はるよ)
保健師・主任介護支援専門員
1971年、岩手県立衛生学院卒業。1973年、千葉県松戸市に入職し母子保健活動を展開。1982年、埼玉県三郷市に入職。高齢者福祉課長補佐時代にモデル介護認定審査会、ケアプランモデル事業を初め介護保険制度の導入に関わる。健康推進課長を経て健康福祉部参事。2007年、三郷市を退職後、地域包括支援センター「悠久苑」所長。2011年、医療法人財団アカシア会介護統括・教育部長に就任、現在に至る。
【本書を推薦します!】
◆本間 昭 先生
(認知症介護研究・研修東京センター前センター長)
『今年の3月に改正道路交通法が施行され、 75歳講習時の認知機能検査において 一定の点数以下では認知症の有無の診断が 求められることになりました。
専門医だけではなく、 かかりつけ医も一定の役割を 担わざるを得なくなったのです。
この機会に、「もの忘れ外来」を 始めてみようかと思うかかりつけ医も 少なくないのではないでしょうか。
しかし、どこから、どのように始めればいいのか 悩んでしまうこともあるかもしれません。
本書では、かかりつけ医が地域で 「もの忘れ外来」を始め、 一定の成果をあげた好事例が示されています。
興味のある関係者に一読をお勧めします』
【著者プロフィール】
◆大場敏明(おおば としあき)
千葉大学医学部卒業。千葉大内科研修を経て、地域病院や診療所勤務。老人病院勤務時代、認知症(当時は痴呆症)医療の現実に疑問を感じ、2000年、埼玉県三郷市に「クリニックふれあい早稲田」を開業。「町医者」志向で地域医療を担い、認知症グループホームや通所介護事業所など六つの介護事業所を運営。医療・介護・地域(家族)の認知症ネットワーク構築を推進し、「認知症医療新時代、かかりつけ医が主役」を提言。三郷市認知症ネットワーク会議座長・市介護保険運営協議会委員・市介護認定審査会(元)会長・市医師会(元)理事・埼玉県保険医協会理事長。
◆高杉春代(たかすぎ はるよ)
保健師・主任介護支援専門員
1971年、岩手県立衛生学院卒業。1973年、千葉県松戸市に入職し母子保健活動を展開。1982年、埼玉県三郷市に入職。高齢者福祉課長補佐時代にモデル介護認定審査会、ケアプランモデル事業を初め介護保険制度の導入に関わる。健康推進課長を経て健康福祉部参事。2007年、三郷市を退職後、地域包括支援センター「悠久苑」所長。2011年、医療法人財団アカシア会介護統括・教育部長に就任、現在に至る。
はじめに
序章 かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ 大場敏明
【事例】─ アルツハイマー(AD)とともに生きて13年、今も在宅でおだやかに
新オレンジプランで「かかりつけ医が出番」の時代を鮮明化
・旧プランから新プランへ……認知症高齢者等にやさしい地域づくり
・新オレンジプラン……基本的考え方・7本柱
・かかりつけ医の役割にますますの期待が
・若年性認知症施策、介護者(家族)の支援、地域づくりなど
かかりつけ医による「もの忘れ外来」、四つの特徴
・認知症は根治できない生活障害病、かかりつけ医の“得意分野”
・特徴① 敷居が低い、継続的受診(対応)が可能
・特徴② 認知症の人の全身管理、生活管理が行える
・特徴③ 家族(介護者)も一緒に診ていく
・特徴④ トライアングル支援、地域づくりの「拠点」になれる
かかりつけ医の「もの忘れ外来」、全国各地で取り組もう
・最初は隔週1回でも始めよう、「もの忘れ外来」
・問診や検査(認知機能評価テスト)などのセットを準備。初診に使用できます
・医師による診察室での問診や診察(「初診時カルテ記載項目」の利用も)
・相談員(相談担当看護師・保健師)の配置が理想的
第1章 かかりつけ医(一般医・総合医)の出番1 大場敏明
急増する認知症、外来の「門戸」をより広げ、早期対応へ
・かかりつけ医の「もの忘れ外来」が草の根で認知症パニックを抑制する
・認知症は日頃診ている生活習慣病患者さんから発症する
・若年性認知症の早期診断・早期対応
【事例】─25歳で「もの忘れ外来」を受診したOL
「もの忘れ外来」(認知症診察)にかかるさまざまなきっかけ
1心配になって本人が一人で受診(「独り受診」の方)
【事例】─ 作業が遅くなったAD初期の陶芸作家
【事例】─ 食品会社の社長さん
2家族が心配して(家族に付き添われて)受診
【事例】─ AD初期のおひとり様、ふれあいサロン利用
【事例】─ 独居の77歳、通院と通所の相乗効果で明るい暮らし
3隣近所や友人、民生委員に付き添われて(増えている“おひとりさま認知症”)
【事例】─ 治療開始から3年、「おひとりさま」でも元気で過ごす
4介護事業所からの紹介、脳ドック・認知症検診からの受診
【経験談 谷口聡医師・たにぐちファミリークリニック院長(一般内科・消化器内科)】
【事例】─ 強い“ぽっくり願望” 家族で支えるご本人の不安
敷居が低く、支援継続につなげる「かかりつけ医のもの忘れ外来」
・受診者の抱く医師へのイメージ、町医者に徹する
・クリニックの雰囲気・“空気”にも気を配る
・受診を嫌がる認知症疑いの方には「健康診断です」と誘ってみる
・「受診は“絶対拒否”」という認知症の人の場合
「治る認知症」はかかりつけ医が早期に診断、必要に応じて専門医につなげる
・治る認知症を早期診断・早期対応
【事例】─ 画像検査で即診断、手術で完治の硬膜下血腫
【事例】─ 認知症悪化は、ビタミンB12不足の関与も
第2章 かかりつけ医(一般医・総合医)の出番2 大場敏明
認知症の人の「心身および生活の全体」を診ていく
・認知症の基礎疾患・生活習慣病などにも要注意
【事例】─ 糖尿病悪化の中で認知症発症、全身管理の重要性
・困っていることの解決のために、介護や地域へつなげていく
・認知症でも家庭や社会での役割を……重要な自立生活支援
【事例】─ 今までやってきた仕事・生活を、できる限り続ける
・家庭でも介護の場でも、食生活自立支援を意識的に追求
【事例】─ 認知症になっても「仕事」を続けることが大事
・生活リハビリと回想法の活用
・適度な運動と脳トレも有効
【事例】─ もの忘れが出ても、哲学書を愛読
【経験談・松山公彦医師・みさと健和クリニック所長(一般内科・腎内科)】
【事例】─ 趣味の俳句を40余年、いま自分史に取り組む
【事例】─ 趣味(絵、葦ペン画)を楽しみ、自立支援ケアで生き生き
認知症で起こるBPSDへの対処
・認知症の中核症状とBPSD
・レビー小体病に多い幻視
【事例】─ 幻視は本人には見えている。否定しない、叱らない
・BPSDが強いFTD
・処方を見直し、薬剤性のBPSDを改善する
認知症ケア・自立生活ケアへつなげる重要性
・その方にとってベストの認知症ケアを医師としても見極めていく
・“画期的な”試み、認知症の方の情報の法人内「多事業所ネットワーク化」
【事例】─認知症発病、デイのボランティアから利用者に
第3章 その人らしい生活と人生をつなぐ家族の支援、相談員の重要性 高杉春代
介護はもちろん、治療においても家族の役割は大きい
・介護している家族は認知症の人の頼りの綱
・認知症の人の変化をすぐに受診に結びつける
・薬の効果や副作用を観察するのも介護家族
・単なる老化現象で片づけない、また、安易に精神疾患と考えない
【事例】─ うつ病の薬をやめたら元気になり、認知機能も正常になった
「もの忘れ外来」が介護家族も守っていく
・夫婦、親子の関係。ストレス・心労・イライラの増幅(血圧上昇、糖尿病悪化、イライラ食事、やけ食い)
・認知症予備軍としての家族
・相談員の重要性……認知症の人への接し方の援助・アドバイス
【事例】─ ご本人に納得して診察・検査を受けていただくことが重要
【事例】─ 認知症の人のイライラは家族とともに治していく
【事例】─ 認知症になって自動車の運転をやめたが……
訪問診療について(大場敏明・執筆)
・訪問診療でも認知症の人を支えていく
・認知症の在宅療養について
【事例】─ 若年性認知症で不穏・拒食など、胃瘻で在宅療養が可能に
在宅や施設での看取り、ターミナルの医療と介護
・今後増えてくる、自宅での「看取り」
【事例】─ 認知症の人の末期がん、最期は自宅で家族に看取られて……
「家族会」という支え合いと情報交換と学びの場を組織する、活用する
・家族会や認知症カフェで励まし合う、支え合う
・「もの忘れ外来」から家族会を発足
・教育の場としての家族会(経験の伝達、家族からの情報がスタッフや医師の学びに)
【事例】─ 認知症の人の望む環境調整で、激しいBPSDも安定へ
【事例】─ 認知症の人の思いに寄り添い、人間関係と生活環境を整える
第4章 トライアングル支援への「要」・調整役としての「もの忘れ外来」 高杉春代
認知症の人が輝ける地域づくりをめざす
・より良いトライアングル支援のために必要なこと
・認知症の人が望む生活と介護サービスの選択
・地域が認知症の人とともに普通に暮らすためには
認知症の人の「地域での生活」を支えて……ともに暮らす町づくり
・認知症の人の環境はできるだけ変えない
・普通に自然に当たり前に認知症の人をサポートできる地域に
・三郷市在宅医療・認知症医療研究会に介護・地域関係者も参加し連携を強化
・認知症サポーターの養成
認知症の人も積極的に地域でボランティアを
・認知症の人も人生の豊かな経験者
・認知症の人が地域に貢献する
……コラム 認知症の人自身も地域に貢献しよう
・おれんじカフェ(認知症カフェ)
……コラム 認知症の人の「働く」を支援
・認知症の人自身が参画してプロデュースしていく
・「もの忘れ外来」で早期発見した認知症の人を「カフェ」に
地域立脚で行う初期救急対応
地域包括支援センターとの協働と「もの忘れ外来」・介護サービスの連携
・「つなぐ支援」、認知症医療と介護の包括的システム
・緊急の問題に迅速に対応
・緊急事態に求められる「初期集中支援の対応」
・医師が診断して、その後を手配する
・関係者会議でトライアングル支援を継続していく
……コラム 「もの忘れ外来」と介護事業所の連携で、拒否から通所へ
【経験談・宮本洋二医師・みさと健和団地診療所】
福岡県大牟田市で始まった、「徘徊」という言葉を使わない取り組み
認知症SOSネットワーク模擬訓練 〜「徘徊」の言葉を使わない大牟田の取り組み〜
終章 かかりつけ医の「もの忘れ外来」─時代が求める「課題」と成功させる「極意」について 大場敏明
いま求められる課題 早期発見・早期対応、「認知症予防」、地域「包括ケアシステム」の構築
・MCIで早期発見することが理想
・一般外来での認知症早期発見
・地域ごとの「包括ケアシステム」構築を
・医師への啓発、医師自身の勉強も重要
かかりつけ医による「もの忘れ外来」の三つの前提と極意・5か条
・前提1 標準レベルの認知症医療を学び、実践しよう
・前提2 画像検査・専門医療などの医療連携も重要
・前提3 真髄は、「その人らしい生活と人生を支える」ともに歩む医療の中心役
5か条の極意
・第1条 ホッと安心する外来……低い敷居
・第2条 また受診したくなる外来……一生のお付き合いです
・第3条 家族が笑顔になる外来……家族を支え・ともに歩む
・第4条 ユーモアで笑いのある外来……スピリチュアルな関係も
・第5条 ケア・地域につなげる外来……トライアングル支援の「要」役
おわりに
●巻末資料
序章 かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ 大場敏明
【事例】─ アルツハイマー(AD)とともに生きて13年、今も在宅でおだやかに
新オレンジプランで「かかりつけ医が出番」の時代を鮮明化
・旧プランから新プランへ……認知症高齢者等にやさしい地域づくり
・新オレンジプラン……基本的考え方・7本柱
・かかりつけ医の役割にますますの期待が
・若年性認知症施策、介護者(家族)の支援、地域づくりなど
かかりつけ医による「もの忘れ外来」、四つの特徴
・認知症は根治できない生活障害病、かかりつけ医の“得意分野”
・特徴① 敷居が低い、継続的受診(対応)が可能
・特徴② 認知症の人の全身管理、生活管理が行える
・特徴③ 家族(介護者)も一緒に診ていく
・特徴④ トライアングル支援、地域づくりの「拠点」になれる
かかりつけ医の「もの忘れ外来」、全国各地で取り組もう
・最初は隔週1回でも始めよう、「もの忘れ外来」
・問診や検査(認知機能評価テスト)などのセットを準備。初診に使用できます
・医師による診察室での問診や診察(「初診時カルテ記載項目」の利用も)
・相談員(相談担当看護師・保健師)の配置が理想的
第1章 かかりつけ医(一般医・総合医)の出番1 大場敏明
急増する認知症、外来の「門戸」をより広げ、早期対応へ
・かかりつけ医の「もの忘れ外来」が草の根で認知症パニックを抑制する
・認知症は日頃診ている生活習慣病患者さんから発症する
・若年性認知症の早期診断・早期対応
【事例】─25歳で「もの忘れ外来」を受診したOL
「もの忘れ外来」(認知症診察)にかかるさまざまなきっかけ
1心配になって本人が一人で受診(「独り受診」の方)
【事例】─ 作業が遅くなったAD初期の陶芸作家
【事例】─ 食品会社の社長さん
2家族が心配して(家族に付き添われて)受診
【事例】─ AD初期のおひとり様、ふれあいサロン利用
【事例】─ 独居の77歳、通院と通所の相乗効果で明るい暮らし
3隣近所や友人、民生委員に付き添われて(増えている“おひとりさま認知症”)
【事例】─ 治療開始から3年、「おひとりさま」でも元気で過ごす
4介護事業所からの紹介、脳ドック・認知症検診からの受診
【経験談 谷口聡医師・たにぐちファミリークリニック院長(一般内科・消化器内科)】
【事例】─ 強い“ぽっくり願望” 家族で支えるご本人の不安
敷居が低く、支援継続につなげる「かかりつけ医のもの忘れ外来」
・受診者の抱く医師へのイメージ、町医者に徹する
・クリニックの雰囲気・“空気”にも気を配る
・受診を嫌がる認知症疑いの方には「健康診断です」と誘ってみる
・「受診は“絶対拒否”」という認知症の人の場合
「治る認知症」はかかりつけ医が早期に診断、必要に応じて専門医につなげる
・治る認知症を早期診断・早期対応
【事例】─ 画像検査で即診断、手術で完治の硬膜下血腫
【事例】─ 認知症悪化は、ビタミンB12不足の関与も
第2章 かかりつけ医(一般医・総合医)の出番2 大場敏明
認知症の人の「心身および生活の全体」を診ていく
・認知症の基礎疾患・生活習慣病などにも要注意
【事例】─ 糖尿病悪化の中で認知症発症、全身管理の重要性
・困っていることの解決のために、介護や地域へつなげていく
・認知症でも家庭や社会での役割を……重要な自立生活支援
【事例】─ 今までやってきた仕事・生活を、できる限り続ける
・家庭でも介護の場でも、食生活自立支援を意識的に追求
【事例】─ 認知症になっても「仕事」を続けることが大事
・生活リハビリと回想法の活用
・適度な運動と脳トレも有効
【事例】─ もの忘れが出ても、哲学書を愛読
【経験談・松山公彦医師・みさと健和クリニック所長(一般内科・腎内科)】
【事例】─ 趣味の俳句を40余年、いま自分史に取り組む
【事例】─ 趣味(絵、葦ペン画)を楽しみ、自立支援ケアで生き生き
認知症で起こるBPSDへの対処
・認知症の中核症状とBPSD
・レビー小体病に多い幻視
【事例】─ 幻視は本人には見えている。否定しない、叱らない
・BPSDが強いFTD
・処方を見直し、薬剤性のBPSDを改善する
認知症ケア・自立生活ケアへつなげる重要性
・その方にとってベストの認知症ケアを医師としても見極めていく
・“画期的な”試み、認知症の方の情報の法人内「多事業所ネットワーク化」
【事例】─認知症発病、デイのボランティアから利用者に
第3章 その人らしい生活と人生をつなぐ家族の支援、相談員の重要性 高杉春代
介護はもちろん、治療においても家族の役割は大きい
・介護している家族は認知症の人の頼りの綱
・認知症の人の変化をすぐに受診に結びつける
・薬の効果や副作用を観察するのも介護家族
・単なる老化現象で片づけない、また、安易に精神疾患と考えない
【事例】─ うつ病の薬をやめたら元気になり、認知機能も正常になった
「もの忘れ外来」が介護家族も守っていく
・夫婦、親子の関係。ストレス・心労・イライラの増幅(血圧上昇、糖尿病悪化、イライラ食事、やけ食い)
・認知症予備軍としての家族
・相談員の重要性……認知症の人への接し方の援助・アドバイス
【事例】─ ご本人に納得して診察・検査を受けていただくことが重要
【事例】─ 認知症の人のイライラは家族とともに治していく
【事例】─ 認知症になって自動車の運転をやめたが……
訪問診療について(大場敏明・執筆)
・訪問診療でも認知症の人を支えていく
・認知症の在宅療養について
【事例】─ 若年性認知症で不穏・拒食など、胃瘻で在宅療養が可能に
在宅や施設での看取り、ターミナルの医療と介護
・今後増えてくる、自宅での「看取り」
【事例】─ 認知症の人の末期がん、最期は自宅で家族に看取られて……
「家族会」という支え合いと情報交換と学びの場を組織する、活用する
・家族会や認知症カフェで励まし合う、支え合う
・「もの忘れ外来」から家族会を発足
・教育の場としての家族会(経験の伝達、家族からの情報がスタッフや医師の学びに)
【事例】─ 認知症の人の望む環境調整で、激しいBPSDも安定へ
【事例】─ 認知症の人の思いに寄り添い、人間関係と生活環境を整える
第4章 トライアングル支援への「要」・調整役としての「もの忘れ外来」 高杉春代
認知症の人が輝ける地域づくりをめざす
・より良いトライアングル支援のために必要なこと
・認知症の人が望む生活と介護サービスの選択
・地域が認知症の人とともに普通に暮らすためには
認知症の人の「地域での生活」を支えて……ともに暮らす町づくり
・認知症の人の環境はできるだけ変えない
・普通に自然に当たり前に認知症の人をサポートできる地域に
・三郷市在宅医療・認知症医療研究会に介護・地域関係者も参加し連携を強化
・認知症サポーターの養成
認知症の人も積極的に地域でボランティアを
・認知症の人も人生の豊かな経験者
・認知症の人が地域に貢献する
……コラム 認知症の人自身も地域に貢献しよう
・おれんじカフェ(認知症カフェ)
……コラム 認知症の人の「働く」を支援
・認知症の人自身が参画してプロデュースしていく
・「もの忘れ外来」で早期発見した認知症の人を「カフェ」に
地域立脚で行う初期救急対応
地域包括支援センターとの協働と「もの忘れ外来」・介護サービスの連携
・「つなぐ支援」、認知症医療と介護の包括的システム
・緊急の問題に迅速に対応
・緊急事態に求められる「初期集中支援の対応」
・医師が診断して、その後を手配する
・関係者会議でトライアングル支援を継続していく
……コラム 「もの忘れ外来」と介護事業所の連携で、拒否から通所へ
【経験談・宮本洋二医師・みさと健和団地診療所】
福岡県大牟田市で始まった、「徘徊」という言葉を使わない取り組み
認知症SOSネットワーク模擬訓練 〜「徘徊」の言葉を使わない大牟田の取り組み〜
終章 かかりつけ医の「もの忘れ外来」─時代が求める「課題」と成功させる「極意」について 大場敏明
いま求められる課題 早期発見・早期対応、「認知症予防」、地域「包括ケアシステム」の構築
・MCIで早期発見することが理想
・一般外来での認知症早期発見
・地域ごとの「包括ケアシステム」構築を
・医師への啓発、医師自身の勉強も重要
かかりつけ医による「もの忘れ外来」の三つの前提と極意・5か条
・前提1 標準レベルの認知症医療を学び、実践しよう
・前提2 画像検査・専門医療などの医療連携も重要
・前提3 真髄は、「その人らしい生活と人生を支える」ともに歩む医療の中心役
5か条の極意
・第1条 ホッと安心する外来……低い敷居
・第2条 また受診したくなる外来……一生のお付き合いです
・第3条 家族が笑顔になる外来……家族を支え・ともに歩む
・第4条 ユーモアで笑いのある外来……スピリチュアルな関係も
・第5条 ケア・地域につなげる外来……トライアングル支援の「要」役
おわりに
●巻末資料