去りゆく人に寄り添う看取りの心得
大切な人の人生の締めくくりにあなたができること
著者 | 筒井 大八 著 |
---|---|
ジャンル | 暮らし・健康・子育て |
出版年月日 | 2016/04/04 |
ISBN | 9784774515656 |
判型・ページ数 | 4-6・208ページ |
定価 | 1,430円(本体1,300円+税) |
在庫 | 在庫あり |
内容説明
目次
「待ったなし」の突然訪れる介護の日々。
長期間にわたる介護はご家族の負担も大きいものになりかねません。
救急車でたらい回しになるような最期だけは絶対に避けたいものです。
本書では家族も本人にとっても幸せな看取りを行うための考え方、実践法をお伝えします。
在宅・施設介護での看取りに迷った時、家族がどうすればいいのかがよくわかる!
筒井大八(つつい・だいはち)
社会福祉法人愛生福祉会理事長。昭和19年高知県宿毛市生まれ。昭和44年徳島大学医学部卒業。国立療養所東高知病院(現国立高知病院)、高知市立市民病院(現高知医療センター)、高知県総合保健協会などで呼吸器内科医として勤務。昭和63年郷里に帰り、地域医療型病院である医療法人互生会筒井病院を継承し、地域のかかりつけ医として活動。平成2年からゴールドプランに沿って、老人保健施設、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、訪問看護ステーション・ケアハウス・グループホームなどを設立。平成12年、日本プライマリ・ケア学会認定医研修施設群の認定を受ける。その時期、日本プライマリ・ケア学会評議員・研修指導医などを経験。平成21年筒井病院が日本医療機能評価機構より認定を受ける。平成27年、関東で運営している3つの老人保健施設などでISO9001:2008&JISQ9001:2008の認証を受ける。高知県老人保健施設協議会会長、高知県幡多郡医師会副会長(宿毛市医師会長)、社会福祉法人幡多福祉会理事、宿毛市地域包括支援センター運営協議会会長、宿毛市介護保険審査委員長などを経て、古希を過ぎた現在も、認知症オレンジドクターなど幅広い地域福祉や地域医療、在宅医療、看取り医療などに従事している。著書に『良いかかりつけ医師を持とう』(旺史社)、『あなたなら「介護」をどうする』(近代文芸社)など多数。
医療法人互生会
http://goseikai.jp/
第1章 人の一生と介護、看取り
日本人の平均寿命と一生における分類
第1期:養育期
1生活依存期
2給食期
3自炊期
第2期:自立期
1就職期
2結婚と家庭形成・子育て期
3成熟期
●独身主義と晩婚
第3期:年金期
1第三の人生期
2衰退期(要支援期)
3生活依存期(要介護期)
第2章 介護とは何か――その認定手順
要介護認定の流れ
1認定調査表
2主治医意見書
3認定審査会
●要支援の方が利用できるサービス
第3章 要支援・要介護期の支援体制
要介護期を支える多様なメニュー
1在宅系
●介護予防ホームヘルプや入浴サービス
●訪問看護
●訪問リハビリ
●通所介護(デイサービス)
●通所リハビリ(デイケア)
●短期入所生活介護や療養介護
●福祉用具貸与
●住宅改修
●夜間対応型訪問介護
2施設系
●介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
●介護老人保健施設
●介護療養病床
●認知症対応グループホーム
●軽費老人ホーム
●特定施設
3有料老人ホーム
コラム サ高住時代の到来か?
4介護保険料
第4章 看取りの場所の多様化――地域での看取り達成に向けて私たちの経験を紹介
看取りの場所が変化してきている
1介護保険前の看取りの場所
2介護保険後の看取りの場所
3その後の変化
4最近の看取り場所の変化
5老人保健施設での看取り
施設での看取りをどう考えるか
看取りの際のポイント
第5章 在宅看取りを達成するための要件
在宅看取りを達成するための8つの要件
1本人が在宅死を望んでいること(病院での延命治療を望んでいないこと)
2家族も共に在宅看取りを望んでいること
3キーパーソンとなる介護者がいること
4本人と介護者が在宅看取りに必要で適切な知識と技術を修得できていること
524時間いつでも相談できる訪問看護師グループと契約できていること
6いつでも相談に応じる、あるいは往診してくれる医師が確保できていること
7家屋構造や住宅環境が整備されていること
8担当のケアマネジャーと連携を頻繁に取ること
看取りのための三本柱
第6章 かかりつけ医の役割
かかりつけ医8つの役割
1初期医療を担う
2基幹病院や専門医との連携や紹介をする
3セカンドオピニオンの相談に乗る
4保健予防活動を行う
5慢性疾患の管理をする
6氾濫する医療情報に対するアドバイスをする
7介護保険意見書を書き、ケアプランにかかわりを持つ
8最期を看取る医療や往診を行う
第7章 訪問看護師の役割
訪問看護師8つの役割
1病気の状態を把握している
2バイタルサインのチェックを素早く行い、病状の変化について注意しておく
3医師の往診や病院受診の必要性の判断をする
4移送の手段のアドバイスを行う
5家族の負担感や人間関係を把握できている。家の環境・改装などの必要性をアドバイスできる
6将来起こるかもしれない介護負担に対応するメニューの利用方法などを事前に情報提供できる(ショートステイや通所リハビリ、通所介護など)
7病状の急変や家族が判断できないことにいつでも相談に乗る
8看取りの心構えや看取り後のもろもろのお世話をする
第8章 ケアマネジャーの役割
ケアマネジャー8つの役割
1介護保険認定手続きの紹介や代行業務を行う
2介護に関するアセスメントを行い、ケアカンファレンスを開きケアプランを立てる
3利用者本人と家族とサービス提供者との橋渡し役をし、住環境にも目を向ける
4介護の現場に赴き、苦情処理やケアプランのモニタリングを行なう
5社会資源(フォーマル、インフォーマル)の有効活用法を紹介できる
6入所や入院をしても専門職として、帰宅に備えた情報を把握する
7成年後見制度の利用方法を熟知し、具体的な手続方法などを紹介することができる
8人生の最期の看取りまで関わりを持つ
コラム ケアプラン作成の流れ
コラム ソーシャルワーカーの役割
第9章 事例から学ぶ看取りの実践
事例1 100歳のお祝いができて良かった
老健を短期繰り返し利用しながら在宅介護を継続できた例
事例2 在宅での看取りに携わって
義姉との信頼関係の修復
事例3 自分が設計した部屋で最期を迎えたい
本人の思いを家族で支えたケース
事例4 ケアハウスでの看取り介護への取り組み
家族関係が壊れていても、スタッフには寄り添う努力が求められる
事例5 三姉妹によるめでたい在宅看取り
終末期看取りのために自宅に連れて帰ったところ、驚きと感動を与えてくれた
事例6 訪問看護ステーションにおけるターミナルケア事例
最愛の奥様の横で迎えた幸せな往生
事例7 特養でターミナルケアを達成した一事例
その人らしい最期を迎えるための一考察
事例8 最期は老健施設で妻とスタッフに看取られたケース
超老々介護と本人の願いと違う最期に辿りつくまで
事例9 有料老人ホームでの看取り
有料ホームで円満にスタッフと家族に看取られた例
事例10 最期は家族と共に幸せな数時間を送る
MSWの役割の重要性を実感
がんの看取り
〈がんの看取り〉におけるロス女史の主張
死の受容の五段階
事例11 がん告知を受けて在宅納得死を達成した例
退院後の貴重な50日間
事例12 がんであることを半信半疑に思いながら納得死
がんを告げないことにより、家族間の愛情の交換ができた
おわりに
巻末資料 各施設における看取りの指針