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催眠療法の教科書

ヒプノセラピーによる本当の「心の治し方」

催眠療法の教科書
著者 林 貞年
ジャンル 人文・思想 > 心理
出版年月日 2014/10/03
ISBN 9784774514840
判型・ページ数 A5
定価 本体1,800円+税
在庫 在庫あり

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内容説明

目次

この本は、催眠をまったく知らない初心者がプロの催眠療法士になるまでの教科書です。

普通の人が催眠のかけ方を覚え、相談者の悩み事を解決に導く心理カウンセラーへと成長していくための本です。

ではまず、初心者の方に向けて催眠療法がどういったものか説明していきましょう。

あなたは『催眠療法』という言葉から何を連想するでしょうか?

たとえば悩める相談者に催眠術をかけて、問題解決のための暗示を与えるようなものでしょうか?

テレビで行われている催眠術を観ていると、気の弱そうな男性に「あなたは社交的になります」と暗示を与えたら、まるで政治家になったみたいに堂々としゃべりはじめたりすることがあります。

このような光景を目にすると、催眠術を使えば性格改善などいとも簡単にできてしまうような印象を受けてしまいます。

でも、こういった催眠は一時的なものでしかありません。

こんな催眠術のパフォーマンスで変われるほど、人の心は簡単にはできていないのです。

実際の催眠療法では、いわゆる『暗示療法』というものは行われておりません。

しかし、あろうことか催眠を職業にしている人の中にも「催眠の暗示で悩み事が解決する」と信じている人がいれば「催眠は暗示を使って潜在意識の情報を書き換えるものだ」と言っている人もいます。

こういった人は催眠の原理すらわかっていないのです。

催眠は正しく使えば、ほかの方法では治すことができないものまで治すことができます。

しかし、正しく催眠を使っている催眠療法士は極めて少なく、相談者を解決に導けない催眠療法士がたくさんいるのが現在の状況です。

では、ここから現役の催眠療法士に向けてお話したいと思います。

私の所にはすでに催眠療法士として活動している方も技術指導を受けに来られます。

私の指導を受けに来る理由は、相談者から「催眠にかかっている実感がない」とか「悩み事が解決しない」とクレームを付けられてしまうからです。

その催眠療法士たちの導入技法を見てみると、相談者をソファーやベッドに寝かせ、目の上にタオルをかけて、あらかじめ作成してある暗示文を読み上げるだけの朗読です。

暗示文を朗読しない人でも、ほとんどの人が暗記してある暗示文をしゃべるだけです。

こんなものは催眠誘導とは言いません。

ただのリラクゼーションです。

こんなもので催眠に入るはずもなく、ましてや問題が解決するわけがありません。

しかし、クレームを付けてくれる相談者はまだマシです。

ほとんどの相談者は、治りもしない催眠療法に高い料金を払い、クレームも付けずに泣き寝入りしています。

相談者はあなたたち催眠療法士に悪意がないことをわかっているからクレームが付けられないのです。

そして問題など解決していないのに「ありがとうございました」と言って帰っていく……

そんな相談者が溢れているのです。

こんな事態が起きているのも、あなたたち催眠療法士が教わった催眠が間違っているからに他なりません。

わが国でも外国の著名人が書いた本がたくさん翻訳されていますが、そのほとんどは机上の空論で、「この症状にはこの暗示を使いなさい」といった暗示療法を教える内容です。

「外国の著名人が言うことだから間違いない」と、無条件に受け入れてしまうのも仕方ないことかも知れませんが、研究室で考えられた暗示文など実際の現場ではほとんど役に立たないのです。

さらに『前世療法』や『年齢退行』の危険性も知らずに平然と催眠分析を行っている催眠療法士もたくさんいます。

今までトラブルが無いのは、あなたたちが誘導した催眠状態が浅かったことが幸いしてのことです。

少なくても催眠分析の危険性だけは理解していないと、やがてトラブルを招くことになります。

また、催眠療法士のスキルでは欠かせない自己催眠の指導についても、多くの催眠療法士が間違った方法を相談者に指導しています。

他人に誘導されて入った催眠状態と、自分自身で作り出した自己催眠状態は、まった別のものであるにも関わらず、同じ催眠状態として指導しているのです。

これでは相談者の自己催眠が進歩しないのも当たり前です。

中には催眠術のかけ方を覚えただけで催眠療法士として看板をあげている人もいますが、催眠療法は、催眠術のかけ方を覚えただけでできるようなものではありません。

また、催眠のかけ方に関しても、催眠療法には催眠療法に適したかけ方があります。

催眠療法士と称していながら、催眠術ショーで使うようなトリックを使った方法で誘導し、かからなかったら「あなたに集中力がないからだ」と相談者のせいにする。

あまりにも無責任です。

催眠が必要な相談者には当然のことながら催眠状態が必要です。

本書では、催眠療法に適した誘導法の中で、成功率の高い方法、そして今まで公開してこなかったプロならではの成功率をあげるコツなどを述べていますので、相談者を催眠に導けずに悩んでいる催眠療法士の方は参考にしていただけたらと思います。

この本は、現在の間違った催眠療法を払拭し、催眠の本当の可能性と活用法をわかっていただくために作成されました。

どうか正しい催眠の使い方をマスターして、一人でも多くの相談者を幸せに導いてあげてください。


※まえがき

【第1章】催眠の概要と定義

●催眠は信頼という枠の中で行われる
●人間関係はどちらからでも断ち切ることができる
●催眠に導くために必要な信頼関係とは
●催眠形成のために不可欠な一点集中の法則
●アクの強い誘導スタイルは成功率を下げる
●無意識の社交辞令―状況判断の深鋭とは
●想像以上に鋭い潜在意識の計算
●暗示の長時間にわたる持続は状況判断の深鋭と催眠関係の強さ
●起きた現象は同じでも力動源が違う
●催眠術はどこまで悪用できるのか
●催眠術で異性の恋愛感情はコントロールできるのか
●力動源が変わる暗示の与え方
●意識が内側に向いた催眠状態ではイメージに臨場感が出る

【第2章】催眠状態を作り出すための基礎知識

●ナンシー学派とエミール・クーエ
●誘導をスムーズにするために催眠深度を頭に入れておく
●催眠を作り出すためにもっとも重要な基盤暗示
●この暗示技法を身に着けたら催眠は手に入れたも同然
●呪の暗示で心の病気になった女性
●偽物の薬と権威のある医師
●直接暗示と間接暗示は状況によって使い分ける
●そのほかの間接暗示とアナログマーキング

【第3章】催眠状態へ導く方法

●精神統一ができる環境をつくる
●催眠に入りやすい姿勢
●面接時のポジションと心掛け
●被暗示性テストは暗示感受性を高めるステップ
●観念運動の成功率は条件付けにかかっている
●等質性被暗示性亢進と異質性被暗示性亢進
●カタレプシー能力を確認する手の絡み合いテスト
●プロは保険をかけておく
●催眠導入は暗示文を読み上げるだけのパフォーマンスではない
●催眠へ導く瞬間―インダクション・ワーク
●プロとしての成功率をあげるために
●催眠を深化させる技術を身につける
●大切なのはその人の性質ではなくその瞬間の心境
●催眠を成功させるための重要な作業とは
●催眠を解除する覚醒法
●催眠を解くときに気をつけなければいけないこと

【第4章】自己催眠の指導

●誘導された催眠状態と自己催眠状態は根本的に違う
●自己催眠状態にリラックスが必要な理由
●自己催眠の代表作シュルツ博士の自律訓練法
●ジェイコブソンの漸進的弛緩法
●白隠禅師の軟酥鴨卵の法
●画期的な自己催眠法―意識野のコントロール
●身体に影響を与える暗示の力
●潜在意識の中にはアイディアが溢れている

【第5章】催眠療法の実際

●催眠の暗示だけでは根本的な解決はできない
●催眠術ショーの健忘暗示と催眠療法の健忘暗示
●催眠の感覚操作では麻酔なしの手術も可能
●事件解決の糸口にもなる―逆行催眠
●変形したトラウマの意識化―年齢退行
●年齢退行の不合理な点と危険性
●年齢進行で願望は達成できるのか
●本当はとても危険な催眠での前世療法
●イメージと感情の結びつき
●指の反応と交信する観念運動応答法
●ルクロンの振り子応答法
●自動書記による精神分析
●ジグムント・フロイトの業績と精神分析
●動かない足がカタルシスによって動き出した
●フロイトが考案した自由連想法
●自由連想法からの気づき
●催眠特有の心理療法―メンタル・リハーサル
●心理セラピストにとってもっとも重要なこと

※あとがき

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